私たちの事業所が加盟する全国組織「全日本民主医療機関連合会」には1961年に制定された民医連綱領があります。制定から60年以上経過しておりますが、今も私たちの活動の「憲法」として輝きを失うものではありません。
しかしながら、時代の流れとともに、私たちの活動は医療にとどまらず、介護・福祉の分野にまで地域の方々とともに取り組む広がりを持って参りました。そのため、私たちの活動のわかりやすい指針として、あらたに地域に向けて発信できる具体的な「羅針盤」が必要になりました。
そして、私たちのめざす活動を「みどり病院の理念」として制定しました。
1. 安全・安心・信頼の医療
医療の安全性は、特に今日強調されている課題であります。当院では、医療の安全性に取り組む責任者としてリスクマネジャー、現場の実践者にはセイフテイーマネジャーを配置し、医療事故の防止について組織的に取り組んでいます。
この医療の「安全文化」の醸成がなければ、患者様・地域の方々からの安心・信頼は得られないことを肝に銘じて日々の医療に取り組んでいます。
2. 患者様の立場に立つ医療
お金の有る無しで命を差別してはなりません。私たちは憲法第25条に保障された生存権の保障を確実なものにする努力をしています。そのひとつとして差額ベッド料を徴収しておりません。また、みなさまの様々な医療相談に応じるためにスタッフを配置し、社会資源の活用と、人権のアンテナを高く掲げて、より充実した社会保障を目指して運動しています。
3. 地域に根ざした医療
医療は、患者様一人一人の生活の一部に過ぎません。私たちは、病院の中にとどまることなく、訪問診療など地域の中に出かけて皆様の声をお聞きすることを大切にしています。
地域の方々から、何が求められているのかを常に意識しています。わずか110床の病院ですが、地域から求められる医師を、地域の方々と職員が共同して育てていくことを目的に、2005年度より管理型臨床研修病院(‘04年度は協力型)を取得し、医師養成に取り組んでいます。